【文豪ストレイドッグス】朝霧先生、春河先生インタビュー

①文豪を登場させ、異能を持たせて戦わせようと考えたのはなぜでしょうか。

その場の思いつきです(笑)
もう少しお話すると、面白さというのは「意外なふたつを結びつけること」であることが多いです。
誰もが名前くらいは聞いた事がある文豪ですが、そんな文豪をエンターテイメントなバトル漫画と結びつけたら面白いし、とっつきやすくなるのではないかと思いました。

②登場人物たちの持っている異能はどのように決めているのでしょうか。

いくつかパターンがあります。
1)まず代表作からとってきた能力名をつけ、その後「この名前ならどんな効果だろう」と考えるケース
2)作家性や人間性をふくらませ、それを特殊能力として定着させるケース
3)ストーリー上の要請から「こんな能力の敵・味方が出てきて欲しい」と思ってから作家を探すケース

③登場する文豪やそのキャラクターデザインはどのように決めていらっしゃいま
すか。

まだご存命だったり、没後間もない方は登場させないようにしています。
あとは有名さ、すでに出ている文豪との関係性、キャラの濃さなどから登場文豪を決めています。

④『文豪ストレイドッグス』のタイトルの意味はどういうものでしょうか。

たくさんのキャラが出てくるので、群像劇を思わせるタイトルにしました。
あとは勢いと勘です(笑)

⑤中島敦を主人公に充てたのには何か理由があるのでしょうか。

当初は太宰や芥川のようなもっと知名度の高い文豪にしようかと思ったのですが、
そういった濃いキャラを周囲に配置して、主人公は比較的ニュートラルな立ち位置から彼らを見たり振り回されたりする、という図式にしました。
あとは山月記が教科書にあるので、未成年に親しみやすいだろうと思ったからです。

⑥朝霧カフカ先生が一番お好きな文豪はどなたでしょうか。

どの文豪も好きですが、太宰治、中島敦、芥川龍之介などは好きです。
あと意外なとこで、ラヴクラフト。大好きです。

⑦アニメ化に対してどのような期待をされていますか。

当初はいろいろ期待や要請があったのですが、すべて達成されたのでなくなってしまいました(笑)
キャラをしっかり描くところ、ストーリーの暗示や伏線を大事にするところ、最後には人間性や文学的テーマにタッチするところなどです。
でも間違いなくすべて達成されたうえに抜群にカッコよく楽しめる、最高のアニメになると感じています。

⑧マンガにとどまらず小説も展開しているのはなぜでしょうか。

小説も書いてみたかったので…。
とはいえ、原作者が外伝小説も書く、というケースはあまりないので、そんな自分にしかできないようなキャラの過去や掘り下げをする作品群を作れたらな、と思って書いています。

⑨綾辻先生、京極先生、辻村先生といった現役小説家の方をモデルとした小説版
では、なぜその方を選ばれたのでしょうか。

綾辻先生、京極先生は2,3巻のオビで推薦文を書いて頂き、大変お世話になった方々です。
その時にキャラ化したデザインを描いたところ、多くの人に「このキャラが活躍するところを見たい」という要請をいただきまして……よっしゃ書いちゃろう、ということで。
さらにその中で辻村先生サイドからも「出たい」という話をいただき、もうそれなら是非にも、ということで登場させて頂きました。

⑩学生の頃はどのような本を読んでいましたか。

いろんな本を節操なく読んでいた気がします。
国内文豪に海外文豪、純文学、ミステリ、恋愛、ライトノベル、漫画、演劇台本や教養書など……。
元から「ストーリーを作る人になりたい」と思っていたので、お話作りに関係ありそうなものはとにかく片っ端から読んでいました。

⑪学生の頃の読書体験は今どのように活きていると考えますか。

読めば読んだだけ絶対にプラスになるのが読書です。本や言葉が頭の中にたくさんインプットされていればそれだけ考える力につながりますし、考える力が必要ない人生なんてどこを探してもありません。
それにこれからもっと移り変わりが加速していく世界では、新しく生まれてきたジャンルや概念に「ちょっとキャッチアップするために本を4~5冊読んでみるか」というフットワークの軽さをもって食いついていかないと、どんな仕事でも追いついていけなくなると思います。

⑫大学生に対して何かメッセージをお願いします。

楽しんでください。
私も大学生に戻りたいです(笑)

☆春河35回答

①登場する文豪やそのキャラクターデザインはどのように決めていらっしゃいますか。

朝霧さんからまず設定が届くのでそちらとモデルにさせて
頂いている人物像の雰囲気などを見て考えています。
こういうものを身に付けていた、だとか具体的に参考に出来そうな部分は
取り入れたりするよう心がけていますが見た目をそのままそっくりすることは
基本的にはありません。漫画的見栄えを優先している面が強いです。
また「このキャラとこのキャラは多分同じコマによく映るだろうな」と
思ったキャラは並んだとき見栄えがいいように白黒の配分を気をつけています。

因みに安吾さんだけは唯一デザインのほうが先という特殊なキャラクターなので
最も容貌がご本人に近しいのではないかと思います。

②朝霧カフカ先生・春河35先生が一番お好きな文豪はどなたでしょうか。

銀河鉄道の夜が物凄く好きなので宮沢賢治先生になるかと思います。
小さい頃はじめてよだかの星を目にしたときは怖くて
夜眠る時にずっと引きずっていた記憶があります。
多分その「純粋なお話っぽいのにちょっと怖い」部分が好きなんだと思います。

他は、読んでて一番面白い!と自分が感じたのは江戸川乱歩先生です。

③アニメ化に対してどのような期待をされていますか。

これ以上はないくらいの本当に素晴らしいスタッフの方々に恵まれた
と感じておりますので、何も心配していません。
作画側からどうしても情報提供をしなければならない範疇以外のことは
基本的にアニメサイドにお任せしています。
信頼していると同時に、本当に良いものを作ろうとしてくださっていることへの
強い感謝の気持ちがある故です。一視聴者として心から楽しみにしております。

④学生の頃はどのような本を読んでいましたか。

作家買いをするほうではなかったのでジャンルでいうと
学生の頃読んでいたものはホラーが多めだった気がします。
特定の作家さんの本というと、ぎりぎりもう学生は終わった頃集めだしたので
厳密には違いますが伊坂幸太郎先生の本が多分一番多いと思います。

⑤学生の頃の読書体験は今どのように活きていると考えますか。

「読書が人より多いほう」とはとても言える量ではないので
自分の人格形成にどの程度影響を及ぼしているのか想像もつきませんが
感受性はある程度養ってくれたのかな、と思います。

⑥大学生に対して何かメッセージをお願いします。

自分のような身が申し上げられることといったら
今しかない四年間を是非満喫して、悔いなく過ごして欲しいと思います
くらいでしょうか。時間って本当にかけがえのない存在です。
と、漫画を描いていると切実に思います。