【英文科一ヤバい奴】塚田千尋さんインタビュー

スキンヘッドに黒縁メガネ、「禅」Tシャツ。「英文科のヤバい奴」と学生の間で悪名高い塚田さんの容貌は一度見たら忘れられない。ツイッターアカウント「上智大学のモーゼ(DTさん)」で繰り広げられる彼の言動を目にしてしまった本紙は取材せざるを得なかった。

「メンストを歩いていたら人々が私を避けてさながらモーゼがユダヤの民を率いて紅海を割って進んでいるかのような気分になった」。ツイッターアカウント名の由来となったこの出来事からもわかるように、自身の「ヤバさ」を取り繕うことなく、むしろ全面的にあふれださせている。

エッジの効いたダンスや上半身裸でブランコ遊びをツイッターで披露する彼のバイタリティーは、どこから来るのだろうか。塚田さんは常識に縛られない行動をとるようになった起点は、自身の中学時代にあるという。当時成長期で体型ががっしりとしてくるにつれて、不良グループと交流するようになっていった。しかし良心を抑えこみ、自身を偽ってまでグループと交わり続けることに嫌気がさし、学校に通わなくなってしまった。「この時の体験から、自分の本心を隠して行動することに大きな疑問を抱くようになった。今は自分の『ヤバさ』も含めて、全て正直に人前に出したいと思っている」。

中学校の3年次をほとんど出席せず卒業したのち、通信制高校に通いだした。自宅で過ごす時間が多く確保できたため、読書に打ち込んだ。村上春樹の作品のほか、彼の作風に影響を与えた50、60年代のアメリカの作家の作品を読みふけった。英語の原書と訳書を読み比べることで、英語の理解にもつながった。「この時期の勉強の方法は、自宅学習の大きな可能性を示しているのではないか」と珍しく真面目な表情をして語る。

本学に現役で入学してからも文学への熱意は冷めず、今年5月には小説を執筆した。ストーリーは、主人公が昔の恋人の死をテレビのニュースで知り、そこから過去を思い返し、自分の人生にはどのような可能性があったのか思いを巡らすというもの。「人間はいろいろなものを捨てながら生きていくが、そうした選択を受け入れることが人生の肯定につながるのでは」という思いが込められている。

また小説の執筆に踏み切ったのは普段から考えていることを世間にさらけ出し評価してもらいたかったから。そうした意味で、ツイッターで「ヤバい」言動を披露し世間の反応を伺うことと小説執筆は、根源的には変わらない。

「自分が本当にしたいこと、感じていることを人に晒せずに苦しんでいる人は多いと思う。そんな時は、私のツイッター(@funnyman0704)を見て、人間の生き方の限界のなさを感じ取ってもらえたら嬉しい」。