先輩からあなたへ 安田有里(06年度比文卒)

プロフィール

 

 1983年生まれ。東京都出身。ニューヨーク育ち。2006年度に上智大学比較文化学部(現:国際教養学部)を卒業。07年、ワンダーリリー株式会社を設立。ニューヨークのティー・ブランド、「ハー二―&サンズ」など複数の海外ブランドと独占契約。ファッション・ブランドや大手自動車メーカーとコラボレーションも企画。15年ティータイム・カンパニー設立。JR名古屋高島屋にハー二―&サンズ直営店をオープン。アートとワインの融合をコンセプトとするフランスの「ポンデザール」社のブランド・アンバサダーも兼任。ロンドンにてティー・ソムリエのライセンス取得。トレンディーなライフスタイルと明るいキャラクターで、テレビ出演や雑誌などメディア活動も多数。モダンアート愛好家として知られ、「Billionaire」等にアーティストへのインタビューやアートに関する記事を執筆している。2017年Tokyo Art Office設立。

後悔しないようにベストを尽くす

■上智大学比較文化学部を選んだ理由を教えて下さい

「インターナショナルスクールを卒業した後、NYに帰って大学に行くことを考えました。一方で、心の中ではもっと日本の文化を知り、関わっていきたいと思っている自分もいました。というのも、13歳の時に日本に戻ってきた私は、わずかにアイデンティティの置き場所に苦労しましたが、高校生になる頃には自分の国にいられることをとても嬉しく思うようになったからです。上智大学は、日本にいながら、英語を使って快適に勉強するための環境が整っていると思います」

 

■どのような学生生活を送っていましたか

「インターナショナルスクール時代の友人が20人ほど一緒に比較文化学部に入学していたので、高校の続きのようで新しい環境に慣れるのは簡単でした。ただ、当時比較文化学部は市谷キャンパスだったこともあり、他学部他学科との関わりがほとんどありませんでした。もっと学生同士のコミュニティーを広げておけばよかったなと後悔しています。一方で、教授とは今でも連絡を取り合っています。メディアの仕事や海外の旅行では、国際関係、文化の充当、潜在的なビジネスプランについて話し合ったりします。教授と話すと脳内をリフレッシュできるので助かっています」

 

■現在のお仕事について教えて下さい

「私はWonderlily Coを輸入/輸出/流通会社として設立し、現在は5つのブランドのライセンスを取得しています。Harney&sonsNew Yorkの紅茶は現在、全国350以上の地域で販売されています。ルイ・ヴィトン、レクサス、ソニーなどの高級ブランドとのコラボレーション・プロジェクトを行い、アメリカ大使館、クリスチャン・ディオール、TEDxなどにも商品を提供しています。2年前には高島屋名古屋に常設店をオープンし、第2の会社であるThe Tea Time Companyのイベントやケータリングサービスも行っています。また、ワインと芸術の融合をコンセプトとしたハイエンド・ブランド、

『ポンデザール』の日本アンバサダーも務めています。これらの仕事の傍ら、自分の好きなことを活かし、Billionaire誌やLarry's Listメディアプラットフォームにアートについて定期的に執筆しています。今年の春からは輸出中心の酒のブランドを立ち上げようかなと考えているところです。あくまでも頭の中で思い描くビジネスプランの一つですが」

 

■ビジネスの道に進むことを決めた理由は

私はチャンスが来るのを待つのではなく、自分からチャンス創るタイプ。結果として複数の事業を同時進行することになっているのですが。基本的にゼロからのスタートだったので、私にとってどんな仕事も経験も学ぶことばかりでした。会社の登録、キャッシュフローと業界についての理解、人材派遣、倉庫管理…これらを学んでいくうちに自分の限界と強みを知り、精神的にも肉体的にも一人で全てを行うことは不可能で、いかに周りの人たちに支えられているか、そしてコミットメントと情熱がすべてであることに気づきました。時には書類やサンプルの整理に追われ、ひたすらオフィスで作業をする週もありますが、そういった時間でさえも学びであり、後悔しません。姉のように大学院で勉学に励んだわけでもなければ、ある意味「働く」ことはしていないけれど、私の中で起業してビジネスを展開すること以外を選択する余地はありませんでした。自由に動けるフリーダムと自信を与えてくれた父の応援も力になりました。自分の手で何かしてみたかった、一度決めたことは考え直しません。ビジネスは私にとって最善の選択でした。

 

■ビジネスを展開する上で大切なことは

私は仕事のことを考えると少し神経質になりがちなんです。でもそんな時はスタッフ、友人、メンター、そして私の母にとても助けられています。初めはどれくらいのエネルギーと資金と時間をかければ単純なポップアップイベントができるか、オリジナルの製品ラインの立ち上げに必要なことなど何も理解していませんでした。でもこれらを全てこなしていくうちに、忍耐と永続性がビジネスには必要だと身を持って学ぶことができました。親切であることと誠実であることは健全なビジネスの基盤と信じています。

 

■学生へのメッセージをお願いします

「大学生活は楽しんで!でも現実の世界で自分の将来を模索し続け、有意義な時間を過ごすことも忘れないで下さい。学内、学外問わず、友達をたくさん作って下さい。他の人の良いところに気付いて尊重することは自分の成長につながるし、ハッピー エナジーが予想以上のパワーにもなります。進路に迷ったときは消去法も一つの方法として有効。何事も責任をもってやり遂げて。中途半端ではなく。 どんなこともベストを尽くせば、後悔することはないはずです。言語を学び、旅行し、探索を続けて下さい。大学時代の経験は、大人になった時、間違いなくあなたにとって貴重な財産になるはずです。」