第1回

文学部 保健体育研究室 講師 飯田祥明

 

 私の専門は広く言うとスポーツ科学という分野で、バイオメカニクスという学問を通じて人間の動作を分析しています。また、バスケットボールを専門競技としており、現場と研究の両面からこの競技に取り組んでいます。

今回から3回にわたって掲載していただくコラムは、バスケットボールに関すること、大学スポーツに関することなどです。専門外の方にも興味を持っていただけるような内容にしていければと思います。まず今回は「昨今の日本バスケットボール」をテーマとし、日本のバスケットボール界を取り巻く現状を概観してみましょう。

 

Bリーグ開幕】

未だ記憶に新しい922日。ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボール・リーグ、通称「Bリーグ」が開幕しました(公式HPhttps://www.bleague.jp/)。代々木第一体育館で行われたアルバルク東京 vs. 琉球ゴールデンキングス の開幕戦は地上波やBSなどでも放送されていましたので、そこで開幕を認知された方も多いかと思います。地上波で試合が放送されるという事は、日本スポーツ界全体でみると決して珍しいことではなく、むしろ日常的な光景です。しかし、多くの日本のバスケットボール愛好者にとっては、あの放送がまるで夢のような感慨深いものに感じたのではないでしょうか。それほど、日本におけるバスケットボールは日の目を見ない現状が続いていました。Bリーグ発足までの厳しい道のりについてはニュース等にも取り上げられていましたので、ご存じの方も多いでしょう。

無事開幕を迎えたBリーグですが、ここからが正念場であることは間違いありません。ファンを獲得・定着させ各チームが健全な運営をできなければリーグを継続していくことは難しくなってきます。Bリーグはバスケットボールの魅力を伝えるべく、優秀な選手を集めたり、様々な映像技術などを駆使して華やかな演出をしたりなど、創意工夫を凝らしているようです。皆様もアリーナに出向き、プロバスケットボールを体感していただければ、バスケットボールが単なる「体育の種目」としてだけではなく、「観て楽しむエンターテイメント」としても認知していただけるのではないかと思います。

【日本バスケットボール学会】

 時系列としてはBリーグより先になりますが、2014年に日本バスケットボール学会という学術団体が発足しました(公式HPhttp://japan-basket.wixsite.com/gakkai)。

日本フットボール学会や日本バレーボール学会など、スポーツ種目をテーマとした学術団体はすでに複数存在しており、それに大きく遅れる形にはなりましたがバスケットボールを探求する人たちの集まる場として歩みを始めています。この学会が掲げる目的の一つとして「バスケットボールの強化・普及の両側面から競技力向上に資すること」が挙げられています。要するに「研究だけで完結するのではなく、実際の現場に活きる形で情報発信したり、現場で疑問になっているトピックを研究の力を使って解決したりしていきます」というメッセージです。

この学会は上智大学との関わりも深く、学会を立ち上げる際に行われた準備委員会は本校で催されました。また20158月には、本校を会場としてバスケットボールの本場NBAでアスレチックトレーナーとして活躍されていらっしゃる中山佑介氏の講演会も行われました。まだ動き始めたばかりの若い学会ですが、近い将来に日本のバスケットボールの発展を後押しできる組織になる日が来ると期待しています。1217日(土)、18日(日)には日本体育大学世田谷キャンパスにて第3学会大会が開催されます(http://japan-basket.wixsite.com/gakkai/congress。「バスケの研究って何?興味ある。」「学会行ったことないけどスポーツ関係なら行ってみようかな」という方は、ぜひ足を運んでみてください。

【おわりに】

 今回は「Bリーグ」と「日本バスケットボール学会」という2つのバスケットボールに関わる団体を紹介させていただきました。日本ではマイナースポーツとして捉えられることも多い競技ですが、世界的な競技人口に関しては約45000万人も存在し、世界1位となっています(サッカーは約25千万人)。競技としての魅力は他のメジャースポーツにも引けをとらないはずですので、このままの勢いを維持していけば2020年の東京オリンピックの頃には目玉スポーツの1つになっているかもしれません。プロスポーツ・学術の分野で新たな産声が上がっているバスケットボールを今後注目してみてはいかがでしょうか?

◇編集局よりお詫び◇

当初掲載しておりましたご寄稿が、手違いにより本来掲載すべきものと相違しておりました。深くお詫び申し上げます。