第2回

文学部 保健体育研究室 講師 飯田祥明

 

前回は、昨今の日本バスケットボールの現状というテーマでBリーグと日本バスケットボール学会についての紹介をさせていただきました。今回は上智大学女子バスケットボール部の取り組みの1つを取り上げ、スポーツによる高校-大学交流について考えたいと思います。

 

【上智大学女子バスケットボール部】

上智大学女子バスケットボール部は1972年に創部され、現在関東大学4部リーグに所属しています(公式HPhttp://www2.hp-ez.com/hp/sophiawbbc/)。現在、部員・スタッフは約20名で、3部昇格を目標に活動をおこなっています。ご存知の方もいるかとは思いますが、ほんの数年前までは部員数の確保に苦しむ少人数のチームで、公式戦、上南戦や練習試合にも助っ人の協力なしには人数が足りないという状態でした。そこから部員たちの多大な努力・創意工夫によってようやくチームとして不自由のない人数にまで発展してきたところです。私自身は約1年前から正式なスタッフとして就任しました。役職はアシスタントコーチですが、技術的な指導以外にも渉外活動全般に関わっています。

上智新聞編集局
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【高校-大学の交流の場としてのソフィアカップ】

渉外活動の中でも最も力を入れているのが、上智女子バスケ部が主催する高校チーム招待大会「ソフィアカップ」です(http://www2.hp-ez.com/hp/sophiawbbc/page11)。これまでの参加高校は、関東地方のカトリック校、進学校、バスケットボール部の強化に力を入れている学校など多岐に渡っており、多くの高校から普段交流のない学校との交流によって新たな刺激を受けることにも繋がっていると評価をいただいております。また、上智の部員には大会運営や試合後のキャンパス案内を担当してもらっています。彼女たちにはバスケットボールを通じた社会貢献を実践・実感できる場になっているようですし、私自身もこの大会を通じてスポーツ交流の魅力そしてその影響力を強く感じています。

正直なところ、このソフィアカップを開催するに至った最初の動機は「部員の再減少を防ぎたい」というものでした。先ほど述べたような苦しい時期を見ていたこともあり、コーチに就任した当初から「人材が自然に入ってくる部にしてあげよう」と考えていました。上智では大学に入ってからもバスケットボールを体育会という形で続けてくれる子はそう多くないのが現状です。その原因としては様々なものが考えられますが、一番は大学体育会への現実とかけ離れた「厳しい」「レベルが高すぎる」「勉強と両立できない」といったイメージだと思っています。これらのイメージを払拭するには一緒にプレイして感じ取ってもらうのが一番、というアイデアでソフィアカップを始めることとなりました。

参加していただいている学校の中にはカトリック系高校も多く含まれます。関東地方、近畿地方、中部地方などでは、カトリック高校による球技大会が定期的に開かれており(参考:http://www.katotai.com/index.html)、高校間でのスポーツを通じた交流が盛んに行われています。一方で、これらの高校と上智大学の間でのスポーツ交流はこれまでほとんど図られていないようです。当初は部員の確保のためのアピールのために企画した催しが、結果的にカトリック高校-大学のスポーツ交流の場となってきていることはとても喜ばしいことです。カトリック校の中にはスポーツにおいて全国的に優秀な成績を収めている学校が多く存在します。バスケットボールで例を挙げると、全国大会で上位に食い込むことも多い聖カタリナ高校、全国大会常連の盛岡白百合学園高校、和歌山信愛女子高校、長崎純心女子高校、鹿児島純心女子高校などがその筆頭です。仮に全国規模でのカトリック校(高校・大学など)のスポーツ交流の場を創成できれば、さらに学校間の親睦を深めるとともにお互いの競技力向上、学業に対するモチベーション向上につながるのではないかとも考えています。

上智新聞編集局
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【おわりに】

 上智大学では以前から別のソフィアカップ「上智大学学長杯争奪英語弁論大会」が開催されています。全国の高校生・大学生が入り混じって英語での弁論を競い合う大会で、すでに開催が20回を超え全国規模で伝統あるイベントとなっているようです。女子バスケ部のソフィアカップは、現時点では関東地区のローカルなイベントに過ぎませんが、今後の発展によってさらに大きな影響力を持すスポーツ交流行事となることを期待しています。